miipii Records

おたくイベントの感想などを適当に

アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 感想

今回はミリオンライブのコミカライズの1つ、Blooming Cloverの感想を書きたいと思います。

 

 

 

4コマ以外のミリオンライブのコミカライズでは2作目となるこの作品。メインキャラは可奈、志保、星梨花、海美の4人。作者は「てんむす」を描かれていた稲山覚也さんです。

2016年のミリラジ公録で連載が発表された時、海美が好きな自分としてはメインとして描かれるキャラに海美がいる事で期待が高まりましたが、1作目のゲッサンの出来がかなり良かったこともあり、なかなかハードルが高いなという不安もありました。

 

この作品、11/27、12/16にそれぞれ単行本の1,2巻が発売されました。

なので、これをきっかけに感想を書くことにしました。1話の時点でかなり好きだな~ってなってたんですが、毎話分書くのもしんどいし単行本出たら書こうかな、と思っていました。

それぞれ765曲のカバーCDが付いた特装版もあり、1巻にはゲンキトリッパー(可奈)とDREAM(志保)とL・O・B・M(可奈、志保)、2巻にはフラワーガール(星梨花)とスマイル体操(海美)とDo-Dai(星梨花、海美)が収録されたCDが付いています。

 

さてそれでは、軽く作品紹介も交えて書いていきたいと思います。本編部分はネタバレにならないようにざっくりで。

舞台は、ミリオンライブではおなじみの765プロライブ劇場。外観や周りの風景がかなりミリシタのものと近いです。

まず連載に先駆けて、電撃マオウ4月号に第0話が掲載されました。765プロに新しく加入したアイドルみんなで親睦会をしようという話で、シアター組37人全員がこの0話の中に登場します(当時はミリシタが発表すらされていなかったので、シアター組は37人でした)。最初から全員を描いてくれるっていうのは、それだけでも嬉しいです。この0話はGREE版ミリオンライブ内で公開されているので、未読の方は是非。

さらにこの0話、1人1人は少ないコマながら、アイドルの特徴を的確に描いてくれていたんですよね。それで本連載への期待がかなり膨らみました。

特に海美の描写が良かったのが大きかったです。

海美のパーソナリティって言われると、最初の方に出てくるのはまあ活発、明るい、運動が得意とかそんな感じだと思います。その辺をパッと描いてくれてるのはもちろん、余り見えてない部分も少し描いて見せてくれたように思えて良かったです。

具体的には志保が負けたくないって言ったシーンの海美の反応ですね。ここでいつも見えているような海美の像だと、明るく濁して返すかなと思ったんですけど、真剣な顔した後に黙り込んだ上に次ページの集合写真でも笑えてないという描写がされてて、それがかなり響きました。

これから海美が描かれることが多いであろう漫画で、初っ端からそういった表層じゃない部分も拾ってくれたのは嬉しかったです。本連載が待ち遠しくなりました

 

そしてめちゃくちゃ期待して本連載を迎えたわけですが、上がったハードルは見事に飛び越えられました。

まずこの漫画で一番好きなのが、キャラの表情が心に響くところです。キャラの表情の起伏が激しくて、嬉しそうな時はすごく嬉しそうな顔をするし、悔しそうな時もまた然り。当たり前のことなのですが、読んでる人間に響かせるのは難しいことでもあると思います。これのおかげでキャラの心情が掴みやすく、表情自体もコロコロ変わるので読んでいて楽しいです。また、漫画の中でデフォルメされたキャラがよく描かれるのですが、この表情も豊かで視覚的な楽しさが増します。なによりかわいい。

あとは、やっぱりキャラが掘り下げられるのがうれしいですねえ。GREE版では少し触れられたくらいだった志保の過去話も思ってたよりガッツリ描かれてましたし、2巻の直後の9話では海美もかなり掘り下げられていました。

内容を書かないで書ける感想はこんなところですかねえ。今の段階でもかなり好きになれるコミカライズで、これからも期待しています。可奈、志保、星梨花、海美の4人の内のいずれかが好きな方には是非、単行本を買って読んで頂ければと思います。

 

ここからは内容に触れてネタバレ含む感想を書いていきたいと思います。

 

 

まずは1巻分、1~4話。

まず、アイドルマスターのスピンオフで最初に気になることの一つに、プロデューサーの描写が挙げられます。この漫画のプロデューサーは結構年齢高めに見えて、飄々として掴みどころがないおじさんって感じがします。溢れ出る(CV.藤原啓治)感を感じたのは自分だけでしょうか。

 

1話を読んで最初に思ったのは、上に書いた表情がパッパッと動いてキャラが映えるなって事と、可奈の歌の表現がすごいわかりやすくていいなっていう事でした。読んだ方はわかるかと思いますが、見た瞬間に「ああ、音程が取れてないんだな…」って分かります。こういう風に思い切って大げさな表現をする漫画、結構好きです。

 

1巻の見所といえば、可奈のバックダンサーとしての初ステージの失敗と、765の先輩のステージと、アイドルとしての初ステージを賭けたオーディションあたりでしょうか。

1つ目の部分では、初ステージで舞い上がってる可奈と早くデビューしたくてストイックな志保の温度差が徐々に大きくなっていって、ステージ前のやり取りでそれが最大になっていました。ここの、可奈に「大丈夫だよ(中略)楽しもうね」と言われた時の志保の表情がいいです。

あと、本筋とは全く関係ないですがステージで海美と歩が並んでたのも嬉しかったですね

 

2つ目は、初ステージで失敗してしまった可奈が、星梨花と一緒に765の先輩のステージを見に行く場面。正直ここの魅せ方が1巻で一番好きでした。2話の引きから溢れ出る美希、律子、雪歩の強キャラ感がすごい。

ここでは、直前の2話での失敗してしまったステージとは対照的に、ステージの華やかな面が描かれていました。客席の一番後ろから見たステージは綺麗に描かれていて、765アイドルのアイドルとしての実力が伝わってきます。その上で、バックダンサーとして765の3人と一緒に立つ翼、可憐の視点から先輩感もうまく演出されていました。本番中に最小限の動きで翼のフォローをする美希、ステージ前に一緒に立つバックダンサーを気遣って資料を読む律子、MCで仲間の大切さを語る雪歩、そして翼、可憐とのスタミナの違い、などなど。この中では律子の描写が一番好きで、「MCのとき~」というセリフがかなりグッときました。

3つ目は可奈、志保、星梨花の内から2人を選抜してアイドルデビューさせるというオーディションの場面。みんなに協力してもらってレッスンをする可奈と星梨花と、1人で根を詰める志保が対比になっていました。オーディション前の志保は具合が悪そうで、明るいノリから一転して海美が心配するほど。また、可奈がオーディションで歌を披露した時の志保の表情は、その焦りが伝わってくるようでとてもいい。結果的に合格したのは志保と星梨花でしたが、発表直後に志保が過労で倒れたところで1巻は終わり。続きが気になる、かなりいい引きだと思います

番外編の千鶴さんの話も、かなりパーソナリティを捉えていて面白かったです。全員分描いてほしい……

 

続いて2巻分、5~8話。

この巻の見所は志保、星梨花、そして可奈のアイドルとしての初ステージと、志保の過去、そしてユニット結成でしょうか。あと、歌織さんと紬が出てきました。6話があの二人の情報が発表されて次の号とかだった気がするので、こんなに早く出すとは、と驚きました。

 

まず読んでいくと、最初に志保の過去が描かれています。志保は母子家庭なのはグリー版のなかで書かれていたはずですが、父親と離ればなれになった経緯などは不明なままでした。ずっと不鮮明だった部分が割とサラッと描いてあったので、結構面食らいました。ゲーム内でアイドルになる前の部分が描かれていることは余りないので、こういうのは嬉しいです。海美のも頼むよ頼むよ~って思ってたら2巻の直後の9話で描かれて笑いました。ありがてえなあ

そのあとには、見開き使った可奈の「イヤです!」から志保への留守電メッセージの場面。今まで可奈と志保の絡みあんまり興味なかったんですけど、テンプレート・オタクなのでここでちょっと泣きそうになりました。特に、可奈が最初のバックダンサーとしてのステージに臨む時に真剣さが足りなかった、という事を真摯に受け止めているところがかなり良かったです。

 

2つ目は志保、星梨花、可奈の初ステージの場面。ここだと、最初の志保と星梨花のステージが終わった時の可奈の「次は私も~」のところが一番好きです。2人のステージがすごいって思いつつ、やっぱり悔しい。そんな感情が表情から伝わってきます。それを見たまつりが「ステージで歌う可奈ちゃんが見たくなってしまったのです」と言うのも、さもありなんといった感じ。

そしてまつりを始めとしたみんなで無理を言って、可奈がステージに立てることになります。ここといいオーディション結果の時といい、プロデューサーが意外に熱意に弱いっていう事がわかりますね。最初の描き方からすると、オーディションで可奈を通したのも多分プロデューサーでしょうし、第一印象よりも熱い男だっていう事がわかりはじめてきました。

ステージに立てることを伝えると、その重圧で震えてしまう可奈。そんな可奈の手を両手で包んで震えを止めてあげる志保。ここ最初のところで海美が可奈にやったことと同じですね。いい…

そして、自分も一緒にもう一度ステージに立つと言い出す志保。これで安心したのか、可奈はステージに立つ決心をして、今度は大成功のステージとなりました

 

3つ目はユニット発表のシーン。発表当初のメインビジュアルの4人、可奈、志保、星梨花、海美で「Clover」というユニットを組むことになります。リーダーはその場の流れで志保に決まりました。プロデューサーが不本意そうだったのが気になるところですね。その他には、おなじみ「トライスタービジョン」、美奈子と奈緒の「ダブルエース」が発表され、1か月後に3組合同で野外ライブを行ってもらうと言われます。ここでメンバーにいなくても明るく振る舞う茜ちゃんが結構よかったです…

その直後に場面が変わり、莉緒さんがプロデューサーに「Cloverに海美ちゃんが入ったのは意外だった」という旨のセリフを言います。これ、この漫画の連載が発表された時に自分が思ったことまんまだったので、触れてくれたのがかなり嬉しかったです。海美の「人を見てる」という部分に注目してくれるのはかなり嬉しいです。

そしてCloverの初練習に場面が変わり、そこでは海美の体力についていけない3人が描かれます。その少しの不安要素を残したまま、物語はこれからという風にモノローグが入り、2巻の終わり。

 

ミリオンライブのコミカライズとしても、普通に漫画として見てもかなり好きで読んでいて楽しいです。散々書きましたが、やっぱり一番の魅力はキャラの表情だと思います。

 

特装版の曲の感想も1曲1曲書きたかったのですが、結構長くなってしまったのでまたの機会にしておきます。6曲とも本当にいい出来で、L・O・B・Mなんかはセリフで劇中再現されていたり、Do-Daiもセリフ部分が今風に弄られていたりして芸が細かいです。ソロでのカバーもそれぞれに合っているので、まだ聴いてないよーって方には是非聴いてほしいです。

 

こんなところです。長文、駄文を読んでいただいた方はありがとうございます。

 

 

ではまたの機会にお会いできます事を。